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ミツバチがつなぐ未来のりんごたち ホップツーリズムVoI.2

9月14日(土)~9月16日(月・祝)の3日間、サンクスホップでは、ホップツーリズム企画として、ホップ仲間と巡るテロワール(土地)を知る旅を初開催しました。前回の「搾汁編」に続き、今回は「収穫編」でお届けします。

ちょっとその前に、今回訪れた長野県飯綱町 フジワラルーツファームさんにご協力いただき、りんご収穫に至るまでの一年を写真と共にご紹介します。

まだ温かくなる前の冬、りんご農家の仕事は始まります。まずは、古くなった枝の剪定作業。簡単に言うと、今年育てるりんごの木のお掃除です。いらない枝はカットします。

  

春になると薄ピンク色のりんごの花が咲きます。

 

 

りんごの花が咲きだした後は、花から実になるための受粉が始まります。

受粉は、昆虫類や風の働きによって行われるのですが、その中でも約7割がミツバチによる受粉促進の働きのおかげと言われています。彼らは、カラダや手足にたくさんの花粉を身に着け、花から花へと飛び回ります。綺麗な花が咲いた後は花弁が落ち、次はそこからりんごの実が出来始めます。

 

りんごの花は一つの枝に5~6輪ずつ咲きます。花の咲き終えた後から実がつき始めますが、1箇所にたくさん実るので、この時期、りんご農家では生育の良い実を1個だけ残し他は摘み取ります。こうして余分な果実を摘果することで残した実へ栄養が行渡るようにします。摘果されたりんごは、地面に落として栄養分となり土に還ります。


今回、私たちがシードルビール醸造につかったのは未熟果の摘果されたりんご。加工の様子については前回の「搾汁編」をご覧ください。

子どもたちも収穫作業に参加させてもらいました。りんごは無理にもぎろうと思っても取れず、藤原さんにりんごのもぎ取り方のコツを教えてもらいながらすでに赤くなっているりんごを収穫させてもらいました。

 

かわいいお手伝いスタッフも大張り切り!

 

もぎりたてのりんごはその場で食べることができました。簡単に汚れを落として食べやすい大きさにスライスして皮ごとパクリ!農薬などがかかっているりんごだと皮ごと食べるのは怖いなと感じますが、藤原さん家のりんごなら安心!

 

こうして収穫体験も無事に終わりました。

りんご農家の一年を追ってみると、冬の時期からの枝の剪定に始まり、春には花摘み、夏前から摘果、夏には葉摘み、9月以降は収穫と、1年を通して次から次へと作業があることを知りました。

 


そこには、作物の実をつけるために大切な「受粉」があり、自然界のミツバチたちの働きが大変大きな役割を果たしているのですが、今回訪れた長野でも2013年からミツバチの数が急激に減少。その理由としては、人間たちが使う農薬や殺虫剤などが影響をしているのではないかと言われていて、ミツバチにとって住みにくい環境どころか、ミツバチを死に至らしめているため、近い将来、野菜や果物の生産が困難になり、農業が苦境に陥り、私たちの食生活にも影響が出てくる可能性もあるという話を聞きました。

「私たちはそれに対し何かできることはないのでしょうか?」

今回、私たちが気づいたこと。

それは、「まずは知ること」です。これなら誰でも、どこに居ても出来ます。

私たちの食を支えてくれているミツバチに感謝して、これからもおいしいりんごを初め、安全安心な果物や野菜が食べられるように、まずは「知ることから始める」という自分の足元からできる社会貢献のカタチもあるのではないかと思います。

ミツバチにTHANKS(感謝)で、未来もおいしいりんごが食べられますように一人ひとりが行動に移せたらいいですね。

 

文/山田摩利子

土に還る「りんご」たちが蘇る!ホップツーリズムVol.1 (搾汁編)

 
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